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ARUHI 住み替えコンシェルジュ
編集部
住み替えのプロ、ARUHI 住み替えコンシェルジュがわかりやすくご説明し、一人ひとりに寄り添った、安心できる住み替えを徹底サポートします。
2024.09.13
2024.09.13
出典:pixta.jp
中古戸建を検討する時はどのような時でしょうか。中古戸建のメリットとして「価格が安い」というような記事がよくあります。類似条件の新築戸建と比較した場合に、安い価格で成約しやすいのは確かですが、安くならない(安くできないケース)も存在しています。どのようなケースなのか、それはなぜなのかを解説します。十分に満足して気に入った物件であれば良いですが、安易にお得といわれて、実はそうではない物件を購入しないように気を付けましょう。
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中古戸建が類似の新築戸建よりお得でないケースは下記のような条件を満たしている場合に可能性が高くなります。なお下記条件を満たしている項目が多ければ多いほど、お得でない可能性が高まります。
売主が住宅ローンを利用して購入しており、購入してから間もない場合、住宅ローンの残債は比較的多いです。自宅の売却をする際は住宅ローンの完済をし、抵当権を抹消することが必須です。他項目に当てはまる場合はよりお得ではない可能性が高まります。
近年、物件本体価格だけでなく、購入時にかかる諸費用も一緒に借り入れるケースが増えてきています。この場合住宅ローン残債が物件本体価格を一時的に上回ります。例えば、購入時の諸費用は物件本体価格の8%ほどと言われています。
諸費用もまとめて借り入れした場合、借り入れ直後の場合は、物件本体の108%を完済する必要があります。物件価格は住宅ローンの完済のために、設定している金額であった場合、本当にお得とは言い難い状況が発生します。
不動産の売買の際は不動産会社に仲介手数料を支払います。仲介手数料は契約時や、決済時に支払うことが多いです。手元にお金がない場合は、売買代金から充当するケースもあります。その場合買主が売主の仲介手数料を間接的に負担しているケースもあります。
住宅ローン残債を売買代金で余裕をもって返済できる場合は、該当しませんが住宅ローン残済をぎりぎりで返済し、仲介手数料を売却金から支払っている場合は、本当にお得かは疑問が残る場合があります。
売主が販売物件を購入した時から土地価格が上昇していると類似物件が新築で出た場合、新築戸建の販売金額は上がっている可能性が高いです。しかし、売主が販売物件を購入してから土地価格が大きく上昇しておらず、他条件を満たしている場合は、諸費用等を支払っている可能性が考えられます。
住宅ローンの中には物件本体価格、購入諸費用以外も一緒に借り入れができる場合があります。例えば、「住み替えローン」などです。住み替えローンは自宅を売却し、新しく住宅を購入する住み替えの際に、自宅の売却金額では住宅ローンの残債が返却できない場合に、残ってしまう残債と新居に必要な資金を一緒に借り入れするローンのことです。この場合、ローンを組んで間もない時期はお得ではない場合があります。
自宅の売却をするためには住宅ローンの完済をすることが必須になります。売買金額のみで住宅ローンの完済ができない場合は、手元のお金を追加し完済することも可能です。それでも完済できない場合は住み替えローンを利用するケースもあります。売主が手元にお金がない場合は、売買代金で住宅ローンを完済する方法が最有力となる可能性が高いです。その場合割高になっているケースが考えられます。
販売物件購入時期 | 2022年10月 |
販売物件購入価格 | 5,000万円 |
融資利用金額 | 5,400万円 |
住宅ローンの条件 | 0.5%、420回、元利均等 |
貯金で売却の仲介手手数料の支払い | 不可 |
物件販売時期 | 2024年10月 |
販売時のローン残債 | 約5,116万円 |
実際に上記の例でシミュレーションをしましょう。
新築戸建を2年前に購入した売主が物件本体価格と購入諸費用を借り入れている場合、住宅ローンの残債は約5,116万円です。
すでに購入時よりも約2.3%割高になっています。
更に、売却時の仲介手数料を支払うことが難しい場合は、売買代金から支払う可能性が高いです。
販売時の仲介手数料を概算で3.3%(税込み)とした場合、
この場合、販売価格の目安は5,300万円となります。
5,300万円×3.3%=174.9万円
5,300万円(売買代金)-174.9万円(仲介手数料)-5116万円(ローン残債)=9.1万円
この場合、市況を一切考慮していないにもかかわらず、売主のこれまでの事情のみで購入時よりも6%割高になっています。建築費用が高騰した、土地価格が高騰したなどの事情がない場合はお得でない割高の物件を購入していることになります。
公益財団法人東日本不動産流通機構|首都圏不動産流通市場の動向(2023年) をもとに首都圏の新築戸建の成約価格の推移を整理しました。
2021年を境に新築戸建の成約価格が上昇しているため、2024年現在の新築戸建と類似条件の物件を購入する場合、2020年以前築の物件を購入すると、売主側の事情により余分にかかった売買代金を避けることができる場合があるかもしれません。
今回は首都圏と比較的広い範囲のデータを使用していますが、実際には地域によって、価格の変動も異なるため、検討している地域の情報を取得して検討しましょう。
年 | 価格(万円) | 2023年比(%) | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) |
2013 | 3,416 | -16.07% | 111.83 | 95.83 |
2014 | 3,447 | -15.31% | 116.85 | 97.79 |
2015 | 3,414 | -16.12% | 117.79 | 97.98 |
2016 | 3,522 | -13.46% | 119.09 | 98.43 |
2017 | 3,537 | -13.10% | 119.93 | 98.32 |
2018 | 3,468 | -14.79% | 122.52 | 98.05 |
2019 | 3,510 | -13.76% | 122.58 | 98.85 |
2020 | 3,486 | -14.35% | 122.95 | 98.40 |
2021 | 3,902 | -4.13% | 121.18 | 97.56 |
2022 | 4,128 | 1.43% | 121.55 | 98.06 |
2023 | 4,070 | – | 124.44 | 98.83 |
参考:公益財団法人東日本不動産流通機構|首都圏不動産流通市場の動向(2023年)
参考:公益財団法人東日本不動産流通機構|首都圏不動産流通市場の動向(2023年)
今回は中古戸建が必ずしも類似の新築戸建と比較してお得ではないということを解説しました。地域や経済情勢、中古戸建の建築仕様などによって新築戸建よりもお得なケースも十分にあります。様々な観点から検討し、満足のいく不動産売買を実現しましょう。
また今回「お得」という点から解説しましたが、不動産購入はお金だけではありません。住みたいと思える物件に、長く安心して住まうことができることが一番です。物件検討の一つの軸として参考にしてください。
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