出典：pixta.jp
専任媒介契約を不動産仲介会社と締結したが、売れない、売れる気配がないと心配の方はいらっしゃいませんか。

専任媒介契約は物件を売却する際に一般的な販売方法ですが、必ずしも売れるというわけではございません。今回は専任媒介契約をしていても売れない場合のチェックポイントと対処方法を解説します。現在販売中の方はもちろん、これから販売する不動産会社を選定する方にとっても、不動産会社を選定するチェックポイントにもなりますので、参考にしてください。

こんな方におすすめ

• 専任媒介で販売中で売れていない家がある
• これから自宅の売却を検討している
• 売却を依頼する不動産会社選びで迷っている

専任媒介とは

不動産会社に不動産売買の仲介を依頼する媒介契約の一つです。専任媒介契約のほかに専属専任媒介契約、一般媒介契約があります。それぞれの違いとメリットは以下の通りです。

指定流通機構への登録義務であったり、売主への報告義務が宅建業法により指定されており、売却を希望する売主の物件が市場に認知され、販売活動が担保されやすくなっているため、不動産会社へ売却を依頼する場合に優先的に選択される契約形態です。指定流通機構の活用状況について（2023年分）によると、取引態様別新規取引件数は専属専任媒介が全体の9.7%、専任媒介が33%、一般媒介が20.5%、売主が35.2%、代理が1.6%でした。売主と代理をのぞいた割合で計算すると、専属専任媒介が15.4%、専任媒介が51.2%、一般媒介が32.4％でした。それほど人気の媒介契約形態ですが、それでも売れないと弊社にご相談に来るケースがあります。専任媒介で売れない時に確認すべきポイントについて以下に解説します。

参照：国土交通省|宅地建物取引業法施行規則第十五条の七第四号の規定に基づく標準媒介契約約款
参照：不動産流通推進センター|指定流通機構の活用状況について（2023年分）

専任媒介で売れない時に確認するポイント

以下に専任媒介時に売れない時に確認すべき項目について解説します。現在の状況と照らし合わせて確認しましょう。

1．囲い込みをしている可能性がある

媒介契約をした物件の案内および契約を他の仲介会社経由で受け付けない「囲い込み」をしている可能性があります。物件を売却する時の買主のルートは、媒介契約の会社が直接連れてくるか、他仲介会社が連れてくるかの2択です。顧客の数では圧倒的に他仲介会社の合計が多いため、「囲い込み」が起きるとスムーズな成約の可能性を下げる行為になります。

チェックポイント

• 他仲介会社の見学があるかを確認する

他仲介会社から見学が実際に来ているかは大きな判断ポイントになります。問い合わせが来ているだけだと本当に来ているのかわかりにくいですが、実際に見学に来ている場合は「囲い込み」の可能性が低くなるでしょう

対策

• 仲介手数料の値引きはしない

仲介手数料の値引きをすることで「囲いこみ」が起こりやすくなります。不動産会社は仲介手数料で広告費や給与など営業費用を支払っています。売主からもらえる金額が少なくなると囲い込みが起きやすくなります。また広告費用も出しにくくなるので過度な値引きはやめましょう

• 囲い込みをしない会社を選ぶ

通常専任媒介の場合、自社のみで広告をする会社が多いですが、近隣の仲介会社に一部広告の許可をだし、連携して販売するという不動産会社も出てきています。仕組みでカバーするという方法もあります。

• 不動産会社に伝える

最も簡易的な方法ですが、不動産会社にしっかりと意思を伝えることも囲い込みの発生を防ぐためには必要なポイントです。

2．相場より高すぎる価格で販売している可能性がある

不動産会社がしっかりと営業活動を行っていても、販売価格が高すぎると売れない可能性は高まります。販売の目的に併せて販売価格の見直しを検討したほうがよいケースがあります。

チェックポイント

• 類似物件との反響数（問い合わせ数）、見学数を確認する

近隣で販売中の物件や、過去に販売中の物件との比較を行いましょう。他の確認ポイントを確認しても該当しない場合は販売価格が販売状況に影響を及ぼしている可能性があります。

対策

• 価格の変更について不動産会社に相談する

市場の反応を見るための価格設定である場合もございます、現在の市場の反応とこれまでの販売実績を踏まえて、今後の販売戦略について担当者と見直しを考えましょう。

• 他不動産会社やAI査定などに査定を聞いてみる

媒介契約を販売価格で決定した場合に、そもそも高い金額で提示されてしまっているだけというケースもあります。そもそも妥当な金額なのかを確認してみましょう。

3．広告活動の量と質が不足している可能性がある

ポータルサイトやSNSなど直接一般消費者が豊富な物件情報に触れることができるようになっていること、専任媒介の場合、ほとんどは媒介契約を結んだ会社が広告を独占することから販売物件に対する新規の反響は広告に頼ることになります。つまり売却を依頼した会社がいかに広告の質と量を担保しているかがカギになります。

チェックポイント

• 主要ポータルサイトに掲載がされているか
  
  SUUMOやホームズ、at-homeなどの不動産ポータルサイトへの掲載は物件販売の大きな後押しとなります。まず掲載されているかを確認しましょう。

• 掲載の情報は充実しているか
  
  掲載されていることが確認できたら、情報の質を確認します。白飛びして何が写っているかわからない写真ではないか、レイアウトは見る人のことを考えて構成されているか、キャプションは事実情報だけでなく、生活面でのメリットも記載できているか、物件以外の周辺情報が掲載されているかを確認しましょう。

対策

• 広告の掲載状況を確認する

自ら調べるまたは、不動産会社に報告してもらい広告がきちんと掲載されているかを確認しましょう

• 不動産会社に情報を伝える

広告に掲載されている情報が不足していると感じたらリクエストをしましょう。不動産会社に頼りっきりにならずに自ら実際に生活してみての情報を共有するなど積極的に協力しましょう。

4．需要が少ない地域、物件である可能性がある

すべての物件が思うように売れていくわけではありません。地域や物件の状況によっては1年以内の成約が見込みにくい物件もあります。以下に当てはまる物件は短期での成約が難しい場合があります。急ぎで売却する場合は対策を講じましょう。

ポイント

• 築年数が古い
• 駅から距離が遠い
• 極端に小さい、大きい
• 特殊な間取りや構造をしている

対策

• 不動産会社に買取してもらう選択も検討する

不動産会社に販売物件を買取してもらう選択もあります。一般消費者では購入できない物件も購入し、再販売する手法がある会社もあるため、媒介契約を依頼している会社に相談してみましょう。

5．営業活動の量と質が不足している場合がある

問い合わせや、見学数が安定していても成約にならないケースがあります。その場合は営業担当者の営業活動の量と質が不足している可能性があります。

チェックポイント

• 広告に対する問い合わせ数から実際の見学への移行率を確認する

様々な熱量の問い合わせがあるので、一概に判断はできませんが10組に1組は見学に来て欲しいところです。なかなか見学に来ていない場合は改善の余地があるかもしれません。

• 見学から購入申し込み（価格交渉も含む）の移行率を確認する

10組に1組は購入申し込みが欲しいところです。なかなか来ていない場合は改善の余地があるかもしれません。

対策

• 担当者とはなす

物件の担当者と物件の魅力や地域の魅力、話す順番や見てもらう順番、見学当日の準備について再確認しましょう。これまでにない伝え方が見学者に響くかもしれません。

• 担当者を変える

担当者が今回のプロジェクトにあっていない可能性もあります。販売している不動産会社に交代の相談をしてみましょう。

• 会社を変える
  
  媒介契約の期限が切れたタイミングで販売を依頼する会社を変更することを検討してもよいでしょう。

まとめ

専任媒介で売れない時のチェックポイントと対策を5つ紹介しました。現在販売中の方やこれから販売をする方は参考にしてください。専任媒介契約の期限が切れた場合はほかの不動産会社への変更も可能ですが、期限内に解約をする場合は広告費などを請求される場合もあります。進め方についてはよく注意してください。ARUHI 住み替えコンシェルジュでは売却のセカンドオピニオンや、チェックポイントをクリアした不動産会社の担当者を個別に紹介をしています。興味がある方は無料オンライン相談をご予約ください。