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2024.09.07

2024.08.16

住宅ローンの年収の目安は?7~8倍って本当?住宅ローンが残っている住み替え(買い替え)のケースも解説

出典:pixta.jp

 

 住宅を購入する際に、住宅ローンを利用して物件購入を考えている方は多いのではないでしょうか。今回は実際に住宅ローンを利用したい場合に、どのくらいの借り入れが可能なのか、解説します。年収の7倍から8倍説は本当なのか。以下を確認して今後の住宅購入の検討を進めましょう。ARUHI 住み替えコンシェルジュでは住宅の売買を検討している方に向けて、無料のオンライン相談を実施しています。不動産業に従事していた経験のあるスタッフが第三者として、進め方や不安な点の解消に努めます。

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住宅ローンの借入可能額の目安の考え方

住宅ローンは各金融機関によって審査内容が異なります。よって同じ年収でも金融機関によって借り入れ可否から、融資可能額も変わる可能性がございます。まず初めに住宅ローンの借り入れ可能額の目安について、大きな考え方を2つご紹介します。

 

返済比率(総返済負担率)

 

年収に占めるすべての借り入れの年間返済額の割合です。例えば年収が500万円、毎月3万円の車の借り入れがあったとします。この場合返済比率は、7.2%です。計算式は以下の通りです。

 

36万円(毎月3万円→年間36万円)/500万円=7.2%

 

返済比率の基準は各金融機関によって異なります。【フラット35】は「年収400万円未満では30%以下」、「400万円以上では35%以下」と基準を公表しています。 

 

既存の借り入れと新規で借り入れ予定の住宅ローンの返済比率が〇%(各金融機関が設定した基準)以下であるか、どうかが大きな基準となります。もちろん、返済比率のみで審査がされるわけではないため、あくまでも借入可能額の目安として考えましょう。

 

 多くの金融機関は返済比率を発表しておりませんが、一般的には35%前後と言われています。

 

 参考:フラット35|【フラット35】ご利用条件

 

審査金利

先ほど返済比率について解説しましたが、その際に新しく融資を希望する住宅ローンについても返済比率に入れると記載しました。この審査をする際には多くの金融機関は、融資後に適用される金利で審査するケースは少ないです。またほとんどの金融機関では公表されておらず「審査金利」と言われています。一般的には3%~4%と考えられてることが多いです。この審査金利が低ければ低いほど、借入可能額は計算上は高くなります。 

 

ここで実際に借り入れができるのか計算してみましょう。今回は顧客を3人、金融機関2行について仮の条件を設定します。条件は以下の通りです。各顧客は借り入れ可能な年数で最長期間融資を利用するものとし、ボーナス払いはなしとします。

 

 

顧客

年収

借り入れ

年齢

Aさん

500万円

なし

35歳

Bさん

600万円

車(年間24万円)

40歳

Cさん

800万円

車(年間36万円)

55歳

 

 

金融機関

返済比率

審査金利

借り入れ年数

完済時年齢

D銀行

35%

3%

最大35年

80歳未満

E銀行

40%

3%

最大40年

80歳未満

 

Aさん

 

 AさんがD銀行とE銀行で借り入れ可能な金額の目安は以下のように計算されます。

 

D銀行

 AさんのD銀行における年間の返済額の上限を計算

 年収500万円×返済比率35%=175万円

 AさんがD銀行で借り入れできる期間を計算

 79-35=44、借入算数は最大の35年で計算する

 年間返済額が175万円以下になる金額を金利3%、借り入れ年数35年で計算する

 3,750万円を金利3%で借り入れた場合、年間の返済額が約173万円

 

AさんがD銀行で借り入れができる目安は約3,750万円

 

E銀行

AさんのD銀行における年間の返済額の上限を計算

年収500万円×返済比率40%=200万円

AさんがD銀行で借り入れできる期間を計算

79-35=44、借入算数は最大の40年で計算する

年間返済額が200万円以下になる金額を金利3%、借り入れ年数40年で計算する

4,650万円を金利3%で借り入れた場合、年間の返済額が約200万円

 

AさんがE銀行で借り入れができる目安は約4,650万円

 

Bさん

 

BさんがD銀行とE銀行で借り入れ可能な金額の目安は以下のように計算されます。

 

D銀行

BさんのD銀行における年間の返済額の上限を計算

年収600万円×返済比率35%=210万円-24万円=186万円

BさんがD銀行で借り入れできる期間を計算

79-40=39、借入算数は最大の35年で計算する

年間返済額が186万円以下になる金額を金利3%、借り入れ年数35年で計算する

4,000万円を金利3%で借り入れた場合、年間の返済額が約185万円

 

BさんがD銀行で借り入れができる目安は約4,000万円

 

E銀行

BさんのD銀行における年間の返済額の上限を計算

年収600万円×返済比率40%=240万円-24万円=216万円

BさんがD銀行で借り入れできる期間を計算

79-40=39、借入算数は最大の39年で計算する

年間返済額が216万円以下になる金額を金利3%、借り入れ年数39年で計算する

4,950万円を金利3%で借り入れた場合、年間の返済額が約216万円

 

BさんがE銀行で借り入れができる目安は約4,950万円

 

Cさん

 

CさんがD銀行とE銀行で借り入れ可能な金額の目安は以下のように計算されます。

 

D銀行

CさんのD銀行における年間の返済額の上限を計算

年収800万円×返済比率35%=280万円-36万円=244万円

AさんがD銀行で借り入れできる期間を計算

79-55=24、借入算数は最大の35年で計算する

年間返済額が244万円以下になる金額を金利3%、借り入れ年数24年で計算する

4,150万円を金利3%で借り入れた場合、年間の返済額が約243万円

 

 

CさんがD銀行で借り入れができる目安は約5,500万円

 

E銀行

CさんのE銀行における年間の返済額の上限を計算

年収800万円×返済比率40%=320万円-24万円=296万円

AさんがD銀行で借り入れできる期間を計算

79-55=24、借入算数は最大の39年で計算する

年間返済額が296万円以下になる金額を金利3%、借り入れ年数24年で計算する

5,050万円を金利3%で借り入れた場合、年間の返済額が約296万円

 

CさんがE銀行で借り入れができる目安は約6,400万円

 

 

返済比率と審査金利によってことなる結果

 

 

顧客

年収

借り入れ

年齢

Aさん

500万円

なし

35歳

Bさん

600万円

車(年間24万円)

40歳

Cさん

800万円

車(年間36万円)

55歳

 

 

金融機関

返済比率

審査金利

借り入れ年数

完済時年齢

D銀行

35%

3%

最大35年

80歳未満

E銀行

40%

3%

最大40年

80歳未満

 

 

D銀行

年収比

E銀行

年収比

Aさん

約3,750万円

7.5倍

約4,650万円

9.3倍

Bさん

約4,000万円

6.7倍

約4,950万円

8.25倍

Cさん

約4150万円

5.2倍

約5,050万円

6.3倍

 

計算の結果、それぞれおおよそいくらくらいの金額を借り入れできる可能性があるかを試算しました。AさんとBさんではBさんの方が年収が100万円高いですが、毎月2万円(年間24万円)の支払いがあると住宅ローンの借り入れ可能額があまり変わらない結果となりました。またBさんとCさんは同じようにカーローンの借り入れがあるが、Cさんの方が年収が200万円高い状態でしたが、住宅ローンの返済期間が、Bさんが35年または39年に対して、Cさんが24年であったため、借り入れ可能額が大きく変わることがありませんでした。住宅ローンの借り入れ可能額の目安が7倍から8倍といわれるのは、返済比率が35%前後、審査金利が3.5%前後、返済期間が最長35年の金融機関が多く、その結果Aさんの年収比に収まる顧客が多いからです。BさんやCさんのように借り入れがあったり、Cさんのように年齢を理由に長期でローンを組むことができない場合は、年収の5倍や6倍で結果が返ってくるケースも想定できます。

 

ポイント

 

  • 住宅ローンの借り入れが年収の7倍から8倍であるのは、35年借り入れができ、特に借り入れがない場合の一般的な傾向値

  • 顧客属性(年収や、年齢等)と銀行の審査事情の組み合わせで借入額は上限する

 

 

住み替え(買い替え)の場合の考え方は?

 

住み替え(買い替え)の際に、住宅ローンが残っている場合はどのように借入額について考えられるでしょうか。以下に住み替えの場合、住宅ローンは返済比率にどのように扱われるのか整理します。

 

基本的に住み替え時に既存の住宅ローンは新居の住宅ローンの返済比率に算入される

 

住宅ローンを借り入れている状態で、新居購入に住宅ローンを利用したい住み替えの場合、現在借り入れているローンは新居のローンの審査時に返済比率に参入されます。以下に一例を解説します。

 

 

年収

借り入れ

年齢

住宅ローン残債

売却査定額

Aさん

500万円

住宅ローン(年間120万円)

35歳

2,500万円

3,000万円

 

 

金融機関

返済比率

審査金利

借り入れ年数

完済時年齢

D銀行

35%

3%

最大35年

80歳未満

E銀行

40%

3%

最大40年

80歳未満

 

 AさんがD銀行で審査した場合は以下のように計算されます。

 

 AさんのD銀行における年間の返済額の上限を計算

 年収500万円×返済比率35%=175万円-120万円=55万円

 AさんがD銀行で借り入れできる期間を計算

 79-35=44、借入算数は最大の35年で計算する

 年間返済額が55万円以下になる金額を金利3%、借り入れ年数35年で計算する

 1,200万円を金利3%で借り入れた場合、年間の返済額が約55万円

 

 AさんがD銀行で借り入れができる目安は約1,200万円

 

 このような計算になります。現在の自宅と類似条件で探す場合は、住宅ローンを利用しての購入は不可に近いでしょう。この場合どのように進めるのが良いでしょうか。

 

1.自宅を先に売却し住宅ローンを完済することで返済比率に不算入にする

 

自宅を新居の融資の前に売却して完済することで、返済比率に参入されません。一度仮住まいへ移住し、改めて初めての住宅購入と同じような状態をつくります。 

 

2.自宅を後で売却することで返済比率不算入の金融機関を探す

 

通常住宅ローンを返済中の場合、自宅の売却前に融資を受ける際は新居の融資の審査時に、現在の住宅ローンの返済は返済比率に参入されます。しかし、一定の金融機関は各行の条件を満たすことで、現在の住宅ローンを返済比率に参入しないケースがございます。例えばフラット35では、返済中の住宅ローンの融資対象となっている現在居住している住宅を売却予定で、その売却予定額により当該住宅ローンを完済できることが確認できる場合に限り、総返済負担率の算定において当該住宅ローンの返済額を年間合計返済額から除くことができることとしますと記載があります。

 

参考:フラット35|【フラット35】2020年4月の主な制度変更事項のお知らせ

 

売却したお金>住宅ローンの残債である場合、住み替え(買い替え)時の新居のローンの融資が先に利用できる可能性があるのです。これを「買い先行(購入先行)」ということもあります。

 

 仮にD銀行が返済中の住宅ローンは現在居住している住宅ローンの返済により、完済可能なため新居の審査時に返済比率に入れないと判断した場合

 

 AさんのD銀行における年間の返済額の上限を計算

 年収500万円×返済比率35%=175万円

 AさんがD銀行で借り入れできる期間を計算

 79-35=44、借入算数は最大の35年で計算する

 年間返済額が175万円以下になる金額を金利3%、借り入れ年数35年で計算する

 3,750万円を金利3%で借り入れた場合、年間の返済額が約173万円

 

 AさんがD銀行で借り入れができる目安は約3,750万円

 

 

現在の住宅ローンは返済比率に参入される

現在の住宅ローンは返済比率に参入されない

約1,200万円

約3,750万円

 

 

 現在支払っている住宅ローンを返済比率に参入させるかされないかで約2,550万円も借り入れ可能額に差が出ます。住宅ローンで購入を検討している方にとって大きな差を生みますので、住み替え(買い替え)時に、自宅の売却を先に完了することを避けたい方はこのような金融機関を選びましょう。一方で先行購入が良いかというとリスクもあります。リスクまで認識したうえで、後悔のない選択をするために個別相談をご用意していますので、これから住み替えを考えている方は下記ボタンよりご予約ください

 

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まとめ

 

 年収から考える住宅ローンの目安について返済比率と審査金利という考え方をもとに解説いたしました。現在44歳以下で特に借り入れがない方は、現在の年収の7倍から8倍ほどが年収の目安と考えても大きくは変わらないでしょう。借り入れがある方や、年齢が45歳以上の方、現在住宅ローンを利用している方は別途計算が必要です。記事内の計算式をご自身に当てはめるもよいですし、一般的な目安を一緒に考えることも可能です。オンライン相談をご利用ください。また借り入れ可能額と支払い可能額は異なります。住宅購入後に無理な支払い計画により生活が圧迫することのないように気を付けましょう。資金計画の相談もうけたまわっておりますので、予算決めに不安がある方はぜひオンライン相談をご予約下さい。

 

 

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この記事を書いた人

ARUHI 住み替えコンシェルジュ
編集部

住み替えのプロ、ARUHI 住み替えコンシェルジュがわかりやすくご説明し、一人ひとりに寄り添った、安心できる住み替えを徹底サポートします。

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