
この記事を書いた人
ARUHI 住み替えコンシェルジュ
編集部
住み替えのプロ、ARUHI 住み替えコンシェルジュがわかりやすくご説明し、一人ひとりに寄り添った、安心できる住み替えを徹底サポートします。
2024.09.08
2024.06.13
旗竿地(はたざおち)とは通路となる敷地がある土地のことです。旗竿地を土地として評価する際には理解しておくべき点や方法があります。本記事では旗竿地の評価方法や土地としてのメリットやデメリットについて解説します。内容を理解すれば相続の際に適正な価格で土地を評価して節税するために役立ちます。旗竿地を所有している方はぜひ参考にしてみてください。
\【最短60秒】で結果がわかる/
目次
出典:pixta.jp
旗竿地とは広い敷地と細い通路となる敷地でできた旗のような形をした通常とは異なった形状の土地を指します。隣接する道路とは細い通路の土地でつながっており、メインとなる敷地が周囲を住宅に囲まれた位置に存在する形であるのが一般的です。
出典:pixta.jp
相続の際に理解しておくべき旗竿地の評価方法について解説します。旗竿地の評価を正しく行うことで土地の評価減ができるため、同じ面積の通常の土地より相続税を少なく申告することができます。評価減をせずに通常の土地と同じように申告しても、税務署は指摘してくれるわけではないので、損をしないためにしっかり理解しておきましょう。
旗竿地の評価方法は以下の手順で行います。
国税庁が公開している「路線価図・評価倍率表」を利用して土地の路線価を調べましょう。路線価とは路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(千円単位)のことで、相続税の計算に用いられる評価額です。路線価図・評価倍率表にある路線価図には地図上の路線に「300D」といったように表記されており、300D の場合は1平方メートル当たり300,000円ということがわかります。
価格を知りたい土地に面した路線を地図から探して価格を確認しましょう。
奥行価格補正率とは旗竿地のように道路からの奥行きが長すぎるといった場合に、一定の減額補正を行うために設定されたものです。旗竿地全体の奥行きの長さを確認した上で以下のリンクの表に当てはめて確認することができます。
旗竿地の差し引き計算と呼ばれる方法について解説します。差し引き計算とは旗竿地を四角形の「想定整形地」として一旦計算し、所有地ではない「かげ地」部分を差し引く計算方法です。
計算式は以下の通りです。
評価額 = 土地の面積 × 相続税路線価 × 奥行価格補正率
例として180平方メートルの旗竿地を幅10m × 奥行き30m × 路線価100万円 × 奥行価格補正率0.95として計算すると、2億8500万円になります。
かげ地を幅8m × 奥行き15m × 路線価100万円 × 奥行価格補正率1とすると1億2,000万円となり、差し引くと2億8,500万円 ー 1億2,000万円 = 1億6,500万円といった評価額です。
同じ面積の土地における通常時の計算だと1億8,000円となるため1,500万円の評価減が行えました。
旗竿地の評価額1億6500万円を180平方メートルで割ると1平方メートル当たり91.6666万円ということがわかりました。
旗竿地の評価額が出たら不整形地補正率と間口狭小補正率を利用した計算式でどちらか低い方の補正結果を利用して最終評価額を割り出します。
奥行価格補正率と同じように以下のリンク(※)から、土地の情報を当てはめるとその土地に対応する不整形地補正率と間口狭小補正率がわかります。
上記の土地に当てはめると不整形地補正率は0.85と間口狭小補正率と奥行長大補正率は0.90なので1.の式を利用した方が低い数値になります。
補正率は以下の通りです。
不整形地補正率0.85 × 間口狭小補正率0.9 = 0.76
最終評価額の計算
91.6666円 × 0.76 × 180平方メートル =1億2,539万9,908円となります。
出典:pixta.jp
旗竿地のメリットとデメリットを紹介します。
旗竿地のメリットには以下のような点があります。
旗竿地は通常より評価額を減らせるため、一般的に販売価格が安い点がメリットです。多くの場合、他の住宅に囲まれた土地になるため、道路の騒音が聞こえにくいのも特徴のひとつです。
対して旗竿地のデメリットには以下のような点があります。
周囲の住宅に囲まれる旗竿地は日当たりが悪くなります。風通しも悪いことがあるため、湿気や採光について対策した方がいいでしょう。長い路地にフェンスやアプローチを設置する場合、通常より外構工事のコストがかかることがあります。狭い路地に重機が入らないこともあるため、人手がかかることによるコスト増も考えられます。
出典:pixta.jp
旗竿地は不動産業者や持ち主が大きな土地を売りやすくするために分割することで生まれるのが一般的です。大きな土地は固定資産税をはじめとする維持費が高く、高額であるため買い手がつかない場合があります。そのため分割して売りやすくするのですが、道路に接した面より奥行きが長い土地を半分に分けると多くの場合、土地が縦長になり建物の強度の低下や利用しにくい形状になってしまいます。
そのため分割した両者の土地が道路に面した状態で利用しやすい形にするために、通路のような土地がある旗のような旗竿地が生まれました。
出典:pixta.jp
旗竿地の評価額を適正に算出するためにはさまざまな補正率に当てはめて、ルール通りに計算する必要があります。確定申告に際に通常の土地のように計算して評価を行い、割高な申告をしても指摘されることなく支払うことになってしまうため、自分で評価できるように仕組みを理解しておくことが重要です。旗竿地の相続を検討している方はぜひ本記事を参考にしてみてください。
\まずは無料で基本から学べる/
ARUHI 住み替えコンシェルジュ
編集部
住み替えのプロ、ARUHI 住み替えコンシェルジュがわかりやすくご説明し、一人ひとりに寄り添った、安心できる住み替えを徹底サポートします。
【最短60秒】ご自宅の今の価格がわかります