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ARUHI 住み替えコンシェルジュ
編集部
住み替えのプロ、ARUHI 住み替えコンシェルジュがわかりやすくご説明し、一人ひとりに寄り添った、安心できる住み替えを徹底サポートします。
2024.09.08
2023.08.27
目次
しかし、老後の生活資金を含む将来設計やリスクが見えなければ、適切な老後の住み替え(買い替え)プランは完成しません。
本記事では、老後の住み替え(買い替え)に関して、住み替え(買い替え)タイミング・戸建てかマンションか・賃貸か購入か・資金計画と失敗しないコツなどについて解説しています。老後の住み替え(買い替え)を検討中の方はもちろん、この先の将来設計について知りたい方はぜひ最後までお読みください。
老後の住み替え(買い替え)は以下の4つを基準に準備をはじめましょう。
老後の住み替え(買い替え)は、賃貸の入居審査やローンの借り入れ審査などを有利に進めるために、年齢や収入に対する評価が高いうちに着手するという考え方があります。というのも、高齢者だけの生活は、収入は年金だけで現役世代と比べて少なくなり、体調の急変や火気の取り扱いなどに対しても不安を抱かれやすいため、審査面では不利になる可能性があります。
そのため、まだ定職に就いていて安定した収入がある50代のうちから、具体的な老後の住み替え(買い替え)に着手しておけば、何かとスムーズに進む場面が多いでしょう.
定年退職前後に老後の住み替え(買い替え)をすることが不利になるわけではありません。定年退職よりも前の老後のビジョンが定まらないうちに住み替え(買い替え)をしても、実際の老後を迎えたときに抱くイメージと既に住み替え(買い替え)た家の利便性が合致しない場合があります。
住み替え(買い替え)は、生活スタイルや行動範囲が変わっていく老後の生活にとって、より快適な場所へと移り住むために行うものです。終の棲家に抱く思いや老後のビジョンが定まっていないなら無理に決めなくてもよいでしょう。
30歳のときに生まれた子どもが社会人として仕事に就いて結婚をするであろう30歳になったときに親は60歳です。ちょうど定年退職前後の時期にさしかかる頃でしょう。
親が定年退職して子どもが家から独立すれば通勤をする家族がいなくなるため、おのずと家の立地のニーズが変わります。駅までのアクセスが良ければ買物などの生活施設が充実しているはずですが、定年退職後は以前ほど重要ではないかもしれません。
思い切って住環境を変えて、交通が不便でも自然が近くにある環境のなかでゆったりと暮らしたいという希望が叶えやすいのは、この時期からといえそうです。
30歳のときに家を購入した場合に、10年ごとに水回りを中心に手を入れてきたとしても、築30年を経過する頃には家の構造部分(柱や基礎や天井など)が老朽化しています。大がかりなリフォームや建て替えを検討しているなら、住み替え(買い替え)の検討に適した時期でもあるのです。
屋根や外壁の刷新および間取り変更を含むような大がかりなリフォームであれば、少なくとも700〜1,000万円くらいはかかります。そのお金をその家に使って住み続けるのか、住み替え(買い替え)に使って別の場所で暮らすのか、検討しやすい時期だといえるでしょう。
住み替え(買い替え)先の大きな区分としては、戸建てとマンションです。
なお、下のグラフは国土交通省が行った住み替え(買い替え)物件の調査結果です。
引用:令和4年度 住宅市場動向調査報告書|国交省
グラフから読み取れるのは、2次取得者(住宅購入が2回目以降の方、住み替え)のうち60歳以上の方が購入した割合が高いのは下記の順番です。
55.9%:注文住宅
52.6%:分譲集合住宅
34.7%:既存(中古)集合住宅
29.6%:既存(中古)戸建て住宅
17.0%:分譲戸建て住宅
この結果から、60歳以上の住み替え(買い替え)では戸建てとマンションで大きな偏りは見られないようです。ただし、戸建てに限れば注文住宅の割合が大きいことから、スロープや手すりやバリアフリーなど高齢者の暮らしに適した設備や仕様を備えるためだと考えられます。
マンションは、駅や生活施設に近いなど戸建てと比較して立地条件の良さが特徴です。
賃貸
賃貸マンションは、過疎地を除けば至る所にさまざまな仕様で点在しているため、選択肢が多く希望の物件が見つかりやすいといえます。しかし、自己所有ではないため分譲マンションに比べてマナーが悪い入居者がいることも少なくありません。
さらに、高齢者が賃貸マンションを探す場合には、入居審査で年齢制限や身内との距離や定期的な見守り巡回を要請されるなど、入居審査が厳しいのがデメリットです。
新しい環境への移住などでは、段階的に慣れるための中継点のような使い方ができるため、入退去がしやすい賃貸マンションは便利です。
分譲
築浅のマンションなら、グレードや付帯サービスは賃貸とは比較にならないほど高いレベルです。そして、多くの方が区分所有者であり館内の美化やモラルの維持に熱心であるため、自浄作用によって環境が悪化しづらいのが特徴です。
高額のマンションを購入するにはローンの審査が必要になるため、購入は定年退職前で審査にとおりやすいときに行うほうが、借入期間や金利で有利な条件が得られるでしょう。
機密性や断熱性に優れ温度変化が少ないので、外気の影響を受けやすい戸建てに比べて高齢者の体に優しい環境です。
戸建て
戸建てといっても、今の家をリフォームしたり建て替えたりする場合や、賃貸戸建てを借りる場合があります。
今の家をリフォーム
長年居住して環境と間取りが慣れた今の家の設備を入れ替え、以前より快適な家にリフォームして住み続けます。
リフォームは、これまで慣れている環境が今後も変わらないというのが最大のメリットですが、その環境が老後の生活に適しているか確信がないままで選ぶべきではないでしょう。
新築を購入・建築
新築戸建てもしくは注文建築は、老後の環境として希望する立地や規模に合わせた条件に合致するものを選んで住み替え(買い替え)ます。
特に注文建築であれば、老後の生活に完全にフォーカスした好みの仕様で建てられるため、快適レベルや満足度はかなり高くなります。しかし、今の家を建て替えるなら完成するまでは仮住まいに移る手間と費用がかかるでしょう。
2世帯住宅を建築
同居するメリットは、光熱費や食費の負担軽減・在宅や防犯面の安心感・たくさんの家族に囲まれて暮らす満足感が得られる点です。一方で、家族といえども人間関係が難しい場合や、独りの時間が取りづらい場合があります。
また、子と同居する2世帯住宅を建てる場合には、通勤通学する家族がいる世帯の都合が優先されるケースが少なくありません。そのため、高齢者にとって老後の生活に求めていない環境で暮らすおそれもあります。
賃貸戸建て
独立した住戸で庭があって閑静など、戸建ての良さを得られる賃貸戸建てという選択肢もあります。
賃貸なら毎月の出費はあるものの環境が合わないと感じたら引っ越しができる自由さがあります。
バリアフリーや車椅子が通れる広い廊下や見守りサービスなど、高齢者向けの仕様に配慮した賃貸マンションと、高齢者向けの仕様とサービスで設計された分譲マンションがあります。
高齢者向けというだけあって医療機関や介護サービスとの連携がスムーズです。また、趣味を活かしたワークショップやイベントなどの交流の場が設けられているため、独居に比べれば孤立して見過ごされることが少なく安心です。
高齢者対応という特別仕様であるため、一般の共同住宅にはない独特のルールがあり、家賃や購入費用が高額になる点には注意が必要です。
賃貸と購入のおもなメリット・デメリットを列挙します。
賃貸は家賃を延々払い続けるのでもったいないという意見があります。しかし、いつでも別の地域へと引っ越しができる自由さがあり、生活コストを下げたければさらに家賃が安い物件を探せば済みます。
また、室内外の設備などは不具合や故障があれば家主が修理してくれるため、借主はリフォーム費用の負担がなく、災害時の全半壊でも金銭的に大きなダメージを受けることはありません。また、不動産を所有しないので固定資産税も納めなくて済みます。
賃貸マンションの運営は利益を追求する投資事業であり、収益と採算を優先するために設備の仕様は分譲マンションと比べて低く、間取りや収納が使いづらい場合があります。
また、家賃は1か月間居住できるサービスの対価として支払っており、いつまでたっても部屋が自分のものにはならないのです。
また、賃貸の家賃支払いではローンの返済に対する「住宅ローン減税」のように所得税・住民税の節税特例はありません。
購入した物件へ老後生活に適したリフォームを施したり注文建築で建てれば、自分の希望通りの仕様で生活できるため満足度の高い老後生活が送れるでしょう。
その際には、超低金利の分割払いで購入できる点が特に大きな魅力で、さらに印紙税・登録免許税・固定資産税・住宅ローン減税(所得税・住民税)・不動産取得税・譲渡所得税などさまざまな減税措置によって節税ができます。
そして、ローンを完済すれば完全な所有権の財産を持つことになり、ローン返済中に運悪く亡くなったとしても大切な家族にローンのない不動産を残してあげられます。この点は賃貸には真似のできない大きなメリットでしょう。
購入のデメリット
いったん購入すると簡単には買い替えられないため、失敗が許されないという点です。いったん購入した物件でも買い替えはできますが、買い替えには大きな出費を伴うことが多いため、購入時は慎重に物件を選定する必要があります。
また、将来的にどれくらいの資産価値になるのか分からず、購入から30年後には購入時の3分の1以下に目減りすることも珍しくありません。
しかも、毎年固定資産税・都市計画税がかかり、設備や物件の劣化は自費でリフォームしなければなりません。そのため、万一ことを考えて自己資金を手元に残しておくと安心です。
老後の住み替え(買い替え)は、まずこの4つのエリアから引っ越し先の方向性を決めましょう。
電車やバス便が便利な都市部は人口が多いため、家から駅までのあいだに生活施設(スーパー・コンビニ・ドラッグストア・飲食店・病院・家電量販店など)が数多く点在する便利な環境です。また、ターミナル駅から都心部へのアクセスも便利なため、リタイヤ後も都心部へ出向いてアクティブに活動したい方には最適な環境です。
ただし、この環境は高齢者に限らず全世代に人気が高い条件になるため、賃貸物件も売買物件も供給数が少なくて競争率が高くなり、値段も高くなりがちです。
郊外には、すぐ近くに緑地や河川があり、その外縁部にはさらに濃い自然が形成されています。仕事中心の現役世代を退いた後は毎日通勤することがなくなります。そして、子どもが独立してしまえば都市部に住む必要がなくなるため、老後は自然と調和した穏やかな生活に移る方は少なくありません。
郊外は、家の敷地や隣の家との間隔が広いため静かで風通しがよく、市街地ほど非違との目線を意識せずに暮らせる環境です。
ただし、駅まではバス便しかなく本数も少ないとか、車がないと生活が不便になることも多く、都市部に比べて移動が大変です。
また、河川の氾濫や土砂崩れなどの自然災害が起こりやすい場所は、家探しの際に気をつけるべきでしょう。
孫が小さい時期に子の近くに住むことで、一時的に孫を預かったり病院や学校への送迎を代わりにするなど、子世代の助けになることが多く喜ばれます。孫に会いやすく身内から喜ばれ寂しく感じることはないでしょう。
一方で、その環境は子ども達にはよくても自分たちの老後に適しているとは限らず、孫が大きくなれば役目が終わるため、そこからさらに生活環境を変えたいと思う可能性があります。
老後の住み替え(買い替え)には、今までの環境とは全く異なる遠くへと移住する選択肢もあります。高齢の両親の介護で同居したり、使わなくなった実家へ戻って畑作りや稲作を楽しんだりというリタイヤの方法もあります。
自然環境が厳しくライフラインが整備されていない場所もあり、不便さのほうが際立つかもしれません。しかし、不便さを楽しむという気持ちを持った方なら楽しく張りのある生活になるでしょう。
ただし、いきなり家を購入して移住するのではなく、お試し移住として類似する地域の賃貸物件へ引っ越すのをお勧めします。そして、生活リズムが自分に合うと分かってから本格的に移住すれば後悔しなくて済むでしょう。
戸建てとマンションのおもなメリット・デメリットを列挙します。
老後の住み替え(買い替え)は、ローンの高齢特有の制限と老後の生活資金に注目しましょう。
それなりの金額の安定収入があれば、住宅ローンの審査はそれほど難しくありません。
なお、住宅ローンを借りられる年齢や完済すべき年齢は一般的に下記とされています。
借入時年齢:65歳まで(70歳までという銀行が増えている)
完済時年齢:80歳まで(70歳で借りると返済期間は最大10年)
高齢で住宅ローンを借りると返済期間が短くなります。高額の借入では毎月の返済額が大きくなるため、経済状況が変わると支払えなくなる(老後破綻)可能性があります。借入金額が大きくならないよう注意しましょう。
なお、ローン審査がとおりやすい時期なら、ダブルローン・住み替えローン・つなぎ融資・ペアローン・親子リレーローンなど、資金調達の選択肢がたくさんある点は見逃せません。
今の家を売却して現金化し、そのお金を元手にして新居を購入する場合には、旧居をできるだけ高額で売却することが大切です。なお、家を高額で売るためには、高く売れる売り出し時期を選んで、家を美しく見せるなどの売主の努力が必要です。
手元資金は多い方が資金計画にゆとりが出るため、新居の選択肢が多くなり理想に近い住み替え(買い替え)ができます。
ただし、今の家を高額で売却するのも、確かな資金計画を立てて老後の豊かな生活へと導くのも、パートナーとなる不動産会社次第です。信頼できる不動産会社選びは慎重に行いましょう。
退職金や預貯金を最大限投入すれば理想の住み替え(買い替え)に近づけるでしょう。しかし、老後は住み替え(買い替え)てからも長く続きます。手元資金は良い家を手に入れるためだけにあるのではなく、生活を豊かにするためにも必要です。
そのため、住み替え(買い替え)の計画は住宅確保資金と老後の生活資金を分けて考え、長生きしても生活に困窮しない資金計画を立てて、それの沿った住み替え(買い替え)を実行してください。
選択肢のひとつとして、売却した家を賃借する「リースバック」や、家を担保に老後の資金を借り入れる「リバース モーゲージ」なども検討してみるとよいでしょう。
これから老後の生活の資金計画を立てるなら、衣食住の生活費や遊興費以外にも、医療費・介護保険・消費税・物価などが増額していくイメージを持って計画すべきです。
FP(ファイナンシャルプランナー)などのお金のプロにチェックしてもらうと中長期的な経済の動向の影響を加味した無理のない計画が立てられます。
また、適度に働いて収入を得ておくのは資金の目減りを抑えられます。そして、社会との繋がりを持つ満足感や、感謝される承認欲求を満たす効果もあるのです。
老後の住み替え(買い替え)は、自分たちの生活スタイルや行動範囲を中心に考えましょう。
外出が億劫になり孤独に慣れると、より内にこもってしまい生きるのがつまらなくなります。
しかし、買物・病院・薬局・役所など高齢者がよく使う生活施設へアクセスしやすいと、生活用品の調達がしやすく、効率的で快適な外出になります。
また、ショッピングモールやコミュニティセンターなど、人が集まりやすい場所が行動圏内にあれば、孤独で寂しい生活を遠ざけられるでしょう。
身近な場所に「高齢者にとって住みやすい条件が多い」のかという視点で場所を決めましょう。
下記は高齢者にとって危険な場所であり、住み替え(買い替え)では避けるべき環境です。
その他にも避けるべき場所がありますが、自分で想像しても思いつかないため、住み替え(買い替え)を経験した方やその地域の先住者の声を聞くとよいでしょう。
家を売却するなら複数社の売却査定を受けましょう。どこも結果は同じだろうと1社だけに任せていて査定結果が誤っていると大変です。
面倒でも複数社の意見を聞いて、その中から感じがよく丁寧な方に売却任せるとよいでしょう。
なお、住み替え(買い替え)の資金計画は将来の突発的な変化にも対応できるように、余裕を持った内容で策定し、老後の生活に詳しい方のチェックを受けると安心です。
机上の査定であれば下記ボタンから査定可能です。金額をきちんと理解してから資金計画の見通しを立てましょう。
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子や孫とは年に数度は行き来をするでしょう。しかし、お互いの家が近いほうが必ずしも良いとは限らず、交流が頻繁なのは孫が小さい間の期間に限られます。そのため、子や孫の年齢や交流頻度に応じて適正な距離感を想像して場所を選定するとよいでしょう。
住み替え(買い替え)る家を購入するなら、資産価値の善し悪しや将来の予測は大切です。しかし、考えすぎはよくありません。なぜなら、未来の資産価値が確実に分かることはないからです。
また、子世代に家を残しても喜んでくれるかどうか分かりません。ですから「終の棲家は自分たちで使い切って後のことは考えない」というくらいの割り切りがあったほうが、自分たちにとって満足度の高い住み替え(買い替え)ができるというものです。
そして、終の棲家を1度で完成させようとせず、変化できる余地を残しながら生活すれば思い通りにならないことがあってもイライラしないで済むはずです。
老後の住み替え(買い替え)ニーズは、定年退職後の生活の中心が仕事ではなくなることに由来します。そのため、今の場所からこれからの生活がしやすい場所へと生活コストを下げながら移れたら成功といえます。
ただし、住み替え(買い替え)る場所・マンションか戸建てか・賃貸か購入か・どんな生活を送りたいかを具体的に描いて、まずは無理のない資金計画をしっかり立ててから行動に移しましょう。
自分の想像力だけでは将来のリスクが見えないので、先に住み替え(買い替え)た方やネットの口コミや住み替え(買い替え)エージェントなどに相談して、住み替え(買い替え)エリアや資金計画が理想を叶える者かどうかチェックしてもらうと安心です。
住み替え(買い替え)の基礎知識や注意点が分かる「住み替えガイドブック」がもらえ、土日祝対応のオンライン相談のサービスがある「アルヒ住み替えコンシェルジュ」の各種サービス内容をご覧ください。アルヒなら相談は何度でも無料ですので、老後の住み替え(買い替え)で疑問が解消できずに困ったら、ぜひお気軽にご相談ください。
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ARUHI 住み替えコンシェルジュ
編集部
住み替えのプロ、ARUHI 住み替えコンシェルジュがわかりやすくご説明し、一人ひとりに寄り添った、安心できる住み替えを徹底サポートします。
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