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2024.04.13

2024.04.13

100万円で土地を売却した場合にかかる税金と計算方法について解説

土地を100万で売却した際の税金はどのくらいかご存じでしょうか。税金の額を理解しておかないと費用が捻出できず困る場合があります。本記事では100万円で土地を売却した際の税金額と内訳、譲渡所得の計算方法について解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

土地を100万で売却したときにかかる税金はいくら?

出典:pixta.jp

 

土地を100万円で売却した場合、以下の4種類の税金が課されます。

 

  • 登録免許税:課税標準 × 登録免許税率(1.5%)
  • 印紙税:売却価格に合わせた税率で課税
  • 所得税:所得税+復興特別所得税30.63%・所得税+復興特別所得税15.315%
  • 住民税:土地の保有期間が5年未満9%・土地の保有期間が5年以上5%

 

譲渡所得の計算は「譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)」で算出することが可能です。譲渡所得は譲渡にかかった費用や取得費、土地の保有期間によって課税金額が変わるため仮に「土地の保有期間3年」「取得費を5万円」「譲渡費用30万円」とすると以下の金額になります。

 

  • 100万円 -(5万円+30万円 )=課税譲渡所得 65万円 × 39.63% = 25.8万円

100万円で土地を売却した場合にかかる税金の内訳

出典:pixta.jp

 

以下の土地を売却した場合に課される4種類の税金の内訳について解説します。

 

  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 所得税
  • 住民税

登録免許税

土地を売った際の登録免許税額は以下の式で算出します。

 

  • 登録免許税額 = 課税標準 × 登録免許税率(1.5%)

 

登録免許税の税率の軽減措置により令和8年3月31日まで「1.5%(本則2.0%)」で税額を計算します。

印紙税

印紙税は契約書や領収書といった「課税文書」にかかる税金のことで、土地の売買における印紙税は売却価格によって金額が変わります。

 

土地を売った際の印紙税の金額について以下にまとめました。

 

不動産売却価格 本則税率 軽減税率
1万円以下のもの 非課税 非課税
1万円を超え10万円以下のもの 200円 200円
10万円を超え50万円以下のもの 400円 200円
50万円を超え100万円以下のもの 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下のもの 2,000円 1,000円
500万円を超え1千万円以下のもの 10,000円 5,000円
1千万円を超え5千万円以下のもの 20,000円 10,000円
5千万円を超え1億円以下のもの 60,000円 30,000円
1億円を超え5億円以下のもの 100,000円 60,000円
5億円を超え10億円以下のもの 200,000円 160,000円
10億円を超え50億円以下のもの 400,000円 320,000円
50億円を超えるもの 600,000円 480,000円

所得税

土地を売却した際の譲渡所得税の税率は、土地の所有期間が5年を超えているかどうかによって変わります。以下にそれぞれの違いをまとめました。

 

  • 所有期間が5年以下の場合:短期譲渡所得となり30.63%
  • 所有期間が5年以上の場合:長期譲渡所得となり15.315%

 

所有期間は土地を売却した年の1月1日時点で判断します。

住民税

土地を売却した際の住民税の税率は、所得税と同様に所有期間が5年を超えているかどうかによって変わります。以下にそれぞれの違いをまとめました。

 

  • 所有期間が5年以下の場合:短期譲渡所得となり9%
  • 所有期間が5年以上の場合:長期譲渡所得となり5%

 

所有期間の判断についても同様で、土地を売却した年の1月1日時点で判断します。

 

土地を売却したときの譲渡所得および税金の計算方法

出典:pixta.jp

 

土地を売却したときの譲渡所得および税金の計算方法を以下の3つに分けて解説します。

 

  • 譲渡所得の計算方法
  • 取得費がわからない場合の計算方法
  • 税金の計算方法

譲渡所得の計算方法

譲渡所得の計算式は以下の通りです

 

  • 譲渡所得 = 譲渡価額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除

 

式の内訳は以下の通りです。

 

  • 取得費:土地を取得(購入)するためにかかった費用。土地の購入代金や購入手数料(登録免許税や印紙税)のほか、リフォーム代金や立退料、造成費用、測量費なども含まれます。
  • 譲渡費用:土地を売却する際に直接かかった費用。仲介手数料、印紙税、土地を売るために建物を取り壊した場合はその取り壊し費用、違約金、名義書換料などが含まれます。
  • 特別控除:3,000万円特別控除といった適用できる特例があるかどうかを確認し、適用できる場合は特別控除額を差し引きます。

 

金額を当てはめて計算しましょう。

 

取得費がわからない場合の計算方法

譲渡所得の計算において、取得費がわからない場合は概算取得費を用いて当てはめます。概算取得費は、譲渡価額(収入金額)の5%なので、計算したものを上記の式の取得費に当てはめて譲渡所得を割り出しましょう。

 

税金の計算方法

課税譲渡所得金額に対して以下の税率を掛けて税額を計算します。

 

区分 所得税 住民税
長期譲渡所得 15% 5%
短期譲渡所得 30% 9%

 

土地や建物を売った年の1月1日時点で、その土地や建物の所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得、5年以下の場合は短期譲渡所得の税率になります。

 

確定申告の際には、所得税と併せて基準所得税額(所得税額から、所得税額から差し引かれる金額を差し引いた後の金額)に2.1%を掛けて計算した復興特別所得税を納付します。(※)

 

”国税庁公式HP”参照

 

譲渡所得が発生した際に利用できる特別控除について

出典:pixta.jp

 

譲渡所得が発生した際に利用できる可能性がある、以下の特別控除について解説していきます。

 

  • マイホームを譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
  • 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
  • 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
  • マイホームを売ったときの軽減税率の特例
  • 特定のマイホームを買い換えたときの特例

 

マイホームを譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

マイホームを売って譲渡益がある場合、譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例(※)があり、以下のような場合に適用されます。

 

  • 売却するのが自宅である
  • 建物を取り壊してから1年以内に売る
  • 敷地を貸駐車場として利用していない
  • 売る相手が親子や夫婦など特別な関係ではない

”国税庁公式HP”参照

 

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例とは、相続や遺贈により財産を取得し、その相続税額の一部を取得費に加算して譲渡所得による負担を軽減することができる特例です。

 

適用されるためには相続が開始された日から3年10か月以内に相続財産を売却することが条件となっています。

 

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例とは、被相続人が住んでいた空き家を相続し、売却して利益を得た場合に、その利益から3,000万円の控除が認められる制度です。

 

特例を受けるための主な要件を以下にまとめました。

 

  • 家屋の建築年月日が昭和56年5月31日以前であること(区分所有建物は除く)
  • 家屋を耐震リフォーム又は家屋を取り壊して売却すること
  • 相続後、譲渡するまでに空き家であること
  • 売却価格が1億円以下であること
  • 相続の開始があった日から3年目の年の12月31日までに売却すること

 

要件を満たした場合は特例が適用されます。

マイホームを売ったときの軽減税率の特例

マイホームを売ったときの軽減税率の特例とは、居住用不動産を売却する際に10年を超える所有期間であれば譲渡所得に対して軽減税率が適用される制度です。適用されると約20%の税率になるものが14.21%まで税率が下がります。

 

主な要件を以下にまとめました。

 

  • 譲渡した年の1月1日現在でマイホームの所有期間が10年以上あること
  • 親子や夫婦などへの売却ではないこと
  • 住まなくなった日から3年後の12月31日までに売却すること
  • 譲渡契約が家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、住まなくなった日から3年が経過する日が属する年の12月31日までに売ること。
  • 家屋を解体して更地にした場合、譲渡契約の締結日まで他の用途に使っていないこと
  • 3,000万円の特別控除以外の特例を使っていないこと
  • 過去3年間に軽減税率の特例を使っていないこと

 

要件を満たした場合は特例が適用されます。

特定のマイホームを買い換えたときの特例

特定のマイホームを買い換えたときの特例とは、現在のマイホームを売却して新しく買い換えたときに、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べて、購入時の負担を先送りにできる特例です。

 

主な要件を以下にまとめました。

 

  • 国内で自分自身が住んでいた家であること
  • 居住しなくなってから3年以内に売却すること
  • 直近2年間に別の特例を適用していないこと
  • 売却金額が1億円以下であること
  • 10年以上居住していた物件であること
  • 売却した相手が親子や夫婦などではないこと

 

要件を満たした場合は特例が適用されます。

 

譲渡所得の申告期限について

出典:pixta.jp

 

譲渡所得の申告は、資産を譲渡した日の属する年の翌年の2月16日から3月15日の間に行いましょう。マイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例の適用を受けることにより所得税の還付申告となる場合は、2月15日以前でも申告をすることが可能です。

 

申告が難しい場合は税理士に依頼しよう

出典:pixta.jp

 

譲渡所得の申告を自分で行うのが難しい場合は税理士に依頼しましょう。税理士との契約料金は状況によって異なりますが、個人事業主の場合、月々の顧問料は2万円〜3万円が相場とされ、確定申告に関する業務の費用相場は10万円〜15万円程度です。自分で申告が行えないと判断した場合は時間に余裕をもって依頼しましょう。

 

100万円の土地を売る場合は特例が適用できるか確認しておこう

出典:pixta.jp

 

土地を売る際に発生した税金はさまざまな特例を活用して、控除することができます。適用できる特例には種類があり、売却した状況によって利用できるものが変わります。これから土地の売却を検討している方は、本記事を参考に進めてみてください。

この記事を書いた人

ARUHI 住み替えコンシェルジュ
編集部

住み替えのプロ、ARUHI 住み替えコンシェルジュがわかりやすくご説明し、一人ひとりに寄り添った、安心できる住み替えを徹底サポートします。

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